2019年 芸能大会

県人会メイン行事

第12回芸能大会の報告
2019年11月23日(土・祝)
会場/東天紅上野本店 バンケットホール「鳳凰」
報告/チーム広報(田辺・山田・清水)

 10月12日の台風で順延となった第12回芸能大会が、翌月23日、上野東天紅「鳳凰の間」で行われた。それにしても、仕切り直しの当日も、午前中は雨が激しく降る中、大勢の参加者が来られたのは、関係者にとって望外の喜びであった。

芸能大会2019

 午前10時20分、山崎ヤス実行委員長の開会挨拶、次いで名誉会長の平辰様の挨拶、ご来賓の表参道・新潟館ネスパス館長の大平一茂様の祝辞へと続いた。午前10時30分、いよいよ第一部の舞台の幕が切って落とされた。

第一部 午前の部

 オープニングは昨年同様、歌声クラブの皆さんと18あるテーブルに着席した来場者全員が参加しての合唱『紅葉』から始まった。

芸能大会2019

 「♪秋の夕日に照山紅葉 濃いも薄いも 数ある中で♪」 と元気な明るい声が響いた。次いで歌声クラブの皆さんが『村まつり』『丘を越えて』の2曲を歌った。

芸能大会2019

 演目は37、唄と踊りを織り交ぜて、順調にステージは進んで行った。片桐謙一さん(長岡工業高校同窓会東京支部)の『かっぽれ』は、黄色の足袋が軽やかに舞台を跳ねた。長岡工業高校同窓会東京支部の皆さんは、ラグビー日本代表の「ワンチーム」よろしく、多彩な出演者の日頃精進の芸と応援者の一体感あふれる掛け声で、ステージは最高潮に達した。

芸能大会2019

 いろいろな歌・唄・詩があるものだ。人生の悲しみや苦しみの中にある、少なくても愛おしい生活の喜び。女ごころや男ごころを切々と語っていたり。

芸能大会2019

 母上が松代会会員のジャズ歌手、今井あさ美さんは、ちあきなおみメロディーを声量豊かに2曲歌われた。「春日ダンシングチーム」は、杉山範子さんが、『十日町小唄』の踊りの所作を分かり易く解説された。一晩に三尺の雪が積もる地方ならではの情感を、指先の繊細な動きで表現し伝えられた。

芸能大会2019

 佐藤東平さんの歌に合わせて、東京広神会の皆さんが白いハンカチを振って応援していた。午前の部の最後に、佐藤永久副会長から会館新設募金の協力へのお礼とご案内が行われた。
 

第二部 午後の部

 午後の部は、食事と歓談から始まり、一気に会場内が賑やかになる。お酒が入るとついつい舞台から目が離れてしまう人がいるのもご愛嬌だ。
 故郷土産コーナーでは、笹団子や粽ちまき、柿の種、油揚げ、黒舞茸やなめこ、椎茸やしめじなど、ふるさとの懐かしい味覚が勢ぞろい、早々に完売していた。家に帰りふるさとの味に思いを馳せて故郷を想うも良し。久しぶりに電話するも良し。

芸能大会2019

 若波会の『佐渡おけさ』と『相川音頭』はしなやかで優美。東京おけさ会の『相川音頭・源平軍談の義経弓流し』は、腰に小刀を下げて凛々しく寡黙な男舞。それぞれが独特で魅力的だ。

芸能大会2019

 新潟県人会には、おけさクラブ、ダンスクラブ、歌声クラブが、月1回の練習を積み重ねている。ダンスクラブは『チャチャチャ・恋は水色』と『ワルツ・魅惑のワルツ』を、紳士淑女のメンバーたちが華麗に踊ってくれた。
 いつも達筆な演題をご用意くださる伊藤章二さん(東京松之山会)は『幸せはすぐそこに』を歌い、長台詞も聞かせてくださった。

芸能大会2019

 小林会長が所属する東京糸魚川会からは、岩崎スミノさんが『初恋の詩集』を明るく歌い、後ろには横一列に並んだ仲良し応援団が紙で作った黄色い花をつけた手を振っていた。皆さんの顔は笑顔に満ちあふれていた。

芸能大会2019

 
芸能大会2019

 小トリの岡一二さん(東京牧村会)89歳は『岸壁の母』を熱唱、大トリの横野寅夫さん(東京新潟下越連合)92歳は『兄弟仁義』を熱唱。お二方ともかくしゃくとしてダンディで、一本芯の通った立ち姿に皆がうっとり見入り、拍手喝采となった。

芸能大会2019

☆フィナーレは『佐渡おけさ』。恒例の輪踊り。来場者も会場いっぱいひろがって踊り、大きな輪ができた。廣川高志副会長の閉会挨拶で幕を閉じた。
 

●舞台の袖から

 歌や踊りには、人を元気にさせる不思議な力がある。特に、この「新潟県人会芸能大会」は、故郷愛にあふれている。演目は演歌であれ叙情歌やジャズであれ、人の心を揺り動かす何かがある。踊りには、おけさ、甚句、音頭と、旋律は生活感に溢れて悲しくも逞しい。そしてそれは家族や故郷を基本に成り立っている。

芸能大会2019

 演目の中でも、恒例となっている『佐渡おけさ』は、筆者も50年以上前、中学3年の3学期の体育の時間は、毎回画用紙で紙の笠を作り、それに顎ひもを付けて繰り返し練習したものだ。その時、担任の先生は、中学を卒業して都会に出て就職しても困らないように、故郷の伝統芸を覚えるよう、と話された記憶がある。それ故、フィナーレの『佐渡おけさ輪踊り』は、今なお色濃く引き継がれている大切な伝統芸能のように思えてならない。

 その伝統芸能を今でも民友会の尾田喜作さんは、「たとえ会が自分一人になろうとも後世に伝え続けなければならない」と、ひそかな闘志を燃やし続けている。

芸能大会2019

 ご出演者の方々すべてをご紹介したいのですが、書き手陣の拙さをお許し下さい。プログラム進行に沿った会場風景や、ご出演者の晴れ姿は、東京新潟県人会ホームページに詳しく掲載してありますので、そちらを併せてご覧いただけますようお願い致します。

 ご出演される多くの方は、この芸能大会のために、1年に1度の晴れ姿を、愛する家族や友のために捧げるべく日々研鑽されている。そんな思いを、芸能大会主催者も、応援のために駆け付ける参加者も、忘れずにいつまでも大切にしていきたいものである。
(広報委員:田辺 幸雄/山田 セイ子/清水 裕美子)