榀布(しなふ)・伝統工芸品

暮らしのヒント

「羽越しな布」とは?
「羽越しな布」(うえつしなふ)は、羽越地域の山間部に生育するシナノキ、オオバボダイジュ、ノジリボダイジュの樹皮から採取される靭皮繊維で糸を作り、布状に織り上げたものです。
通気性が良く、水にも強い使うたびに手になじんでゆく、しなやかな風合いと素朴な美しさが際立つ布です。帯や草履、バッグなどに加工されます。

村上市の山熊田地区・雷地区に古くから大切に受け継がれてきた「しな布(しな織)」は、沖縄の芭蕉布、静岡の葛布と並んで日本三大古代布と称され、平成17 年には「羽越しな布」として国の伝統的工芸品に指定されました。悠久のときを超え、今なお紡ぎ織られる自然素材の古代布・榀布。現在は作り手の高齢化も進み、その存在は更に貴重なものになりつつあります。

(広報誌:2021年11月)