太鼓芸能集団 「鼓童」

にいがた情報

公益財団法人 鼓童文化財団 事務局長 本間 康子

 「鼓童」は1981年に創立し、昨年40周年を迎えました。前身の「佐渡の國鬼太鼓座」の10年間の活動と合わせ、佐渡に根を下ろして50年になります。現在、舞台メンバーは37名で、同時に複数の公演ツアーが行われていることもあります。スタッフはアルバイトも含め約50名で、島外・海外在住者もおります。また、常勤のスタッフのうち4名が佐渡出身者です。「鼓童村」と呼んでいる本拠地のほか、一般の方が太鼓体験を楽しめる「たたこう館(佐渡太鼓体験交流館)」や、メンバーを目指す研修生が学ぶ「研修所」などの施設の運営も行っています。創作活動と生活が渾然一体となった「共同生活」のイメージが強いかと思いますが、メンバーになって数年以内に鼓童村内の住居棟(独身寮)を出ます。島内各所に、家を借りたり建てたりして暮らしています。地域の一員として、祭りなどの行事にも多くの者が参加しています。2020年は、コロナ禍でヨーロッパツアーを中断して帰国。また、3年かけて準備していた新作公演も断念せざるを得ず、グループの存続があやぶまれる一年でした。「緊急支援」の呼びかけに応えてくださった多くの皆様から支えていただき、現在に至ります。

佐渡・新潟での活動
 毎年ゴールデンウィークに小木・宿根木で行っている連続公演や、夏のアース・セレブレーション(EC)、また島内の学校との交流などを通して、佐渡への恩返しをと考えていますが、コロナ禍による影響は否めません。ECは、2年連続でオンライン開催となりました。2020年は佐渡から出られないことを逆手にとって、佐渡の自然の中での演奏をメンバー自身が撮影するなど、創意工夫によって佐渡の魅力の発信に努めました。公式サイトよりYouTubeのコンテンツをご覧いただければ幸いです。今年こそは有観客での開催を目指しています。新潟県内の太鼓チームに呼びかけ、鼓童との合同演奏も企画しています。
 また今夏は、同じ新潟県内で活動されている、りゅーとぴあ専属舞踊団「Noism」との共演が初めて実現いたします。全国5都市での公演が予定されております。

「ひとつの地球」をめざして
 鼓童の活動理念は、太鼓を持って世界を巡り「ひとつの地球」をめざすことです。
 コロナ禍により旅することが難しくなった2年間でしたが、配信のノウハウを学び、佐渡から世界各地の方々へオンラインで太鼓の技術を伝える「太鼓の学校」も昨年開講いたしました。

太鼓の学校
太鼓の学校

たたこう館(佐渡太鼓体験交流館)
たたこう館(佐渡太鼓体験交流館)

 様々な活動を通して、地域の活性化に少しでも貢献できることをめざし、また日本文化の素晴らしさを世界に伝えたいと思います。リアルそしてバーチャルに、言葉を超えた「共感共同体」を作る試みを続けてまいります。

鼓童公式サイト
https://www.kodo.or.jp/
アース・セレブレーション(2022/8/19 〜 21)公式サイト
https://www.earthcelebration.jp/

(会報誌:2022年04月)