佐渡島の金山はユネスコの舞台へ (1/3)

暮らしのヒント

注目引いた「佐渡島の金山」
 昨年12月末から2月初めにかけ、佐渡島の金山は国民的課題として注目を集めた。

推薦候補に選定されたが
 佐渡島の金山を世界遺産にしようと97年に島内有志が「考える会」を立ち上げ、以来20年以上に渡り関係者が努力してきた。10年に国内暫定リストに記載、15年に県と佐渡市が推薦書原案を初めて文化庁に提出、以来18年まで4年連続で落選。それでも、18年に文化審議会で「縄文遺跡群に次ぐ案件として、有力な推薦候補となり得る」と評価されて以降国内推薦候補選定への期待は高まったが、19年は、前年の奄美沖縄の自然遺産の国内推薦により持ち越しとなった縄文遺跡群を候補とすることになったため新たな選定は行われず佐渡は見送り、20年は新型コロナの影響で文化審は新たな候補の選定を見送るといった異例な状況が続いた。そして、漸く昨年12月28日文化審が国内推薦候補に「佐渡島の金山」の選定を答申した。これで政府内の手続きを経てユネスコに推薦となるはずが、文化庁は「国内推薦候補の選定は推薦の決定ではなく、今後政府内で総合的な検討を行う」と異例な説明し、ユネスコへの国内推薦は不透明なものとなった。

道遊の割戸
道遊の割戸(露頭掘りにより山が割れた)

韓国が撤回を要求
 文化審が推薦候補選定を発表するや、韓国外務省は「強制労働させられた被害の現場」であり、非常に嘆かわしく直ちに撤回を求めると報道官論評、断固対応するとした。韓国内のマスコミも同様に反発。文化庁の異例な説明には、このような背景があったのです。

政府の慎重論に早期推薦要望
 マスコミは政府内に慎重論が強いと報じ、政府は、「総合的に検討」と煮え切らない。このような状況に対し、1月7日花角知事と渡辺佐渡市長は、文部科学大臣を訪問して早期推薦を要望した。1月13日から18日にかけては、県市長会・町村会(連名)、佐渡市議会がそれぞれ早期推薦要望を決議、県幹部と渡辺市長は政府与党の関係者を訪問して直接早期推薦を要望しました。また、高鳥衆院議員は、18日に保守団結の会を代表して早期推薦の決議文を外務省に手交、更に「世界遺産にする会」の民間三団体も20日政府与党関係者を訪問して早期推薦を強く要望した。

2/3)へつづく
(会報誌:2022年03月)