「野党共闘の舞台裏と成否」

会の活動報告

片桐圭子・AERA(アエラ)編集長(朝日新聞出版)

日時:令和3年12月14日(火)15:00~16:30
場所:ふれあいふるさと館2階ホール

現役の週刊誌編集長・片桐圭子氏を迎えての「卓話の時間」。今回は、直近の衆院選挙での野党共闘というホットな話題。

◎卓話の要旨◎
 2021年10月の衆院選挙では、「野党共闘」が実現し、立憲民主、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の野党5党が全国289ある小選挙区の4分の3に当たる213選挙区で候補者を一本化し、自民、公明両党と日本維新の会を交えた「3極対決」の構図に持ち込んだ。このうち、野党5党が勝利したのは59選挙区で、勝率は約28%に留まり共闘効果は限定的だった。一方、自民党は議席を減らし、公明党を合わせた与党全体で300議席を割ったものの、安定多数を守り、政権を維持することになった。
 コロナ禍で世界的には社会民主主義的な考え方が見直され例えば、ドイツでは社会民主党が議席を伸ばしている。その流れでいうと、日本でも野党に追風が吹いていい状態だった。加えて、自民党政権は、モリカケ、サクラ、学術会議の任命問題、コロナと失策が続いていた。それでも、日本国民は、急激な世の中の変化を避け、野党に政権を任せてみようとは思わなかったようだ。
 しかし、野党共闘がなければもっと負けていただろうことは容易に想像され、共闘しない選択肢はなかっただろう。
 来年7月の参院選でも、野党共闘は大きな焦点になるだろう。もう一つ重要なのは、これまで曖昧だった共産党との政策・理念の違いについて、どう整合性のある説明ができるか。野党は、総選挙を契機に新たな局面を迎えている。

「卓話の時間」の会場風景
「卓話の時間」の会場風景

「談義の時間」も活発に
「談義の時間」も活発に

●雑誌「AERA」について
 1988年5月創刊の総合週刊誌。AERAはラテン語で「時代」の意味で、「Asahi shimbun ExtraReport and Analysis」の頭文字をとったものでもある。創刊の2年前に男女雇用機会均等法が施行されたこともあり、国際情勢や経済、事件を伝えるのと同じように、働く女性たちの今を伝えたり、ロールモデルとなる女性の姿を示したりする記事を掲載するのがAERA流。「ターゲット」は、都市で働く30~50代の男女。「蜷川実花」が撮影する「いま」を象徴する人物の表紙にも、常に注目が集まっている。

●片桐圭子・略歴
 ― 北海道出身
 ― 平成4年(1992年)に北海道大学文学部卒業
 ― 平成7年(1995年)朝日新聞社に「雑誌記者」枠で中途入社。
  「ASAHI パソコン」で5年間、IT業界をみっちり取材。その後「AERA」を軸に各部署を経験。
  2年間の新聞在籍中は宇都宮総局で県警キャップを務め、当時続いた子供の連れ去り事件や
  破綻した足利銀行の捜査、民事訴訟などの取材の指揮を執った。
 ― 平成30(2018)年「AERA」編集長に就任。

(2022年2月 総務委員会)