新春のご挨拶を申し上げます

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新潟県知事 花角 英世

花角 英世

 令和4年の年頭に当たり、東京新潟県人会の皆様に謹んで新春のごあいさつを申し上げます。

 昨年は、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大の中で、多くの人が我慢を強いられた1年となりました。改めて、感染された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、感染リスクと向き合いながら最前線で社会生活を支えていただいている皆様、そして県民の皆様の感染防止対策の徹底や事業者など関係者のご協力に対し、心から感謝申し上げます。

 県といたしましては、今後の感染拡大の可能性に備え、県内の医療提供体制の更なる強化に取り組むとともに、市町村や医療関係者と連携しながら、感染予防、重症化予防等に有効なワクチンの接種が円滑に進むよう対応してまいります。

 一方、このような困難な中で7月に開幕した「東京2020オリンピック・パラリンピック」においては、本県関係の代表選手が過去最多となったほか、東京パラリンピックでは、本県から2人のメダリストが誕生するという明るい話題もありました。これまでに経験したことのない状況下で、諦めることなく努力を積み重ね、大舞台で自身の持てる力を発揮し活躍する姿は、私たち県民のみならず全国、そして世界中の人々に勇気と感動を与えてくれました。今後は更なる高みを目指し躍動していただきたいと願っております。

 さて、昨年から新型コロナウイルス感染症が流行する中で、感染防止対策と社会経済活動の維持・回復が当面の最大の課題となりましたが、そのような中にあってもポストコロナ社会を見据え、将来の本県の成長・発展に向けた中長期的な取組を進めていかなければなりません。

 まず、新型コロナウイルス感染拡大を契機とする人口集中のリスク回避や生活スタイルの変化などによる人や企業の地方分散の流れを踏まえた「分散型社会の実現」に向けた取組として、働く場、起業・創業の場、そして人々が訪れる場として新潟を「選ばれる地」にしていくことが重要であると考えております。そのため、これまでにも増して官民、関係者が連携して、職場でのワーク・ライフ・バランスの実現、女性活躍の推進、多様な働き方の導入など、県内企業や地域の魅力を高め、これらを若者等に効果的に訴求するなどの取組を推進していく必要があります。

 また、県として2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指している「脱炭素社会への転換」については、年度内にオール新潟で取り組むカーボンゼロ実現戦略を策定し、産業、生活、運輸など部門毎に具体的な目標や政策スケジュールを定め、着実に実施してまいります。併せて、こうした取組の推進組織・司令塔として県庁に「環境局」を設置します。

 さらに、デジタル技術等の活用により、本県の行政、産業、暮らしを変革し、利便性の高い、そして安全・安心な「デジタル社会の実現」を目指します。具体的には、ロボットやAI技術等を活用し、省力化や高付加価値化を図るスマート農業や、オンライン授業などにより、地理的条件や学校の規模によらず教育を受けられる環境の整備に取り組むなど、様々な社会課題の解決につながるデジタル化を推し進めてまいります。

 今後も、こうしたポストコロナ社会を見据えた中長期的な取組を着実に進めるとともに、「県民最優先」の基本姿勢の下、「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。

 東京新潟県人会の皆様の益々のご発展とご健勝をお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。
(会報誌:2022年1月)