順徳天皇


順徳天皇

御製で辿る、その凛烈たる生涯

 令和3年(2021年)は承久の変が起きて800年と云う大きな節目の年です。

 当時、鎌倉三代将軍実朝の死をきっかけに幕府内の混乱に乗じて、幕府に対し朝廷が戦いを挑んで敗れた変です。戦後、北条義時によって、後鳥羽・土御門・順徳の三上皇は島流しと仲恭天皇の廃位が行われました。順徳上皇は佐渡島へ配流となりました。和歌や芸能は勿論のこと「皇室典範」に通ずる有職故事の大書「禁秘御抄」や歌論書の名薯「八雲御書」表した学識者でもある。

いざさらば磯打つ波にこと問はむ沖のかなたには何事かある
 これは、佐渡市真野地区豊田(旧恋が浦村)に上陸した院が、隠岐に流された父の後鳥羽上皇を恋い偲んで詠まれた歌で、此処の地名となり、恋が浦と呼ばれるようになりました。

 地元渋手村の老婆がすすめる稗の粥に箸をとられて
これほどに身の温まる草の実をひえの粥とは誰かいふらむ
と詠み、村人との心温まるふれあいを今に伝える。

 佐渡を旅した人は訪れたであろう、黒木の御所は、院が22年に渡って住まわれた御所で、多くの文人等が訪づれ、院を偲んで、和歌や俳句が残されている。
啼けば聞く聞けば都の恋しきに個の里過ぎよ山ほととぎす
人ならぬ石木も更に悲しきはみつの小島の秋の夕暮
 しかし、何時になっても鎌倉から御赦免の知らせがありませんでした。

思いきや雲の上をば余所に見て真野の入り江に朽ち果てむとは 辞世
 配流より22年、46歳。無念の思いのまま絶食のうち自ら崩御されました。

風つよき甲板にして佐渡島にわかれをしみて立ちつくしたり 昭和天皇
 昭和39年佐渡に御幸された昭和天皇が、院を忍んで詠まれたものです。年が明ければ大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」が始まりますが、予備知識としてお読み戴くことをお進めします。 夢あきら


2021年5月10日発行
著 者 山田詩乃武
発 行 株式会社PHPエディターズ・グループ
東京都江東区豊洲5-6-52
定価 1,980円(本体1,800円)

来島の文化人 蔵からのささやき

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