吉野屋遺跡(三条市)

にいがた情報

 吉野屋遺跡は、信濃川中・下流域の5,000年前の縄文時代中期の大集落です。火焔型土器や王冠型土器とともに県内最多級の数を誇るかわいらしい顔をした縄文時代中期の土偶が出土しています。

 土偶は祭祀や呪いに用いられたもので、ほとんどは女性を表現しています。頭や手足、胴体がバラバラに出土することが多く、病気や怪我などの身代わりとしてわざと壊したとする説があります。縄文人たちは、森羅万象の中にいるカミを、生命を産み出す女性の形を借りて表現し、豊穣や再生、健康を祈ったのでしょう。

 現地には説明板があり出土品は三条市歴史民俗産業資料館で常設展示中。「日本遺産信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」の構成文化財です。出土品を所蔵しておられる方は是非ご連絡ください。


土偶(撮影:小川忠博氏)

連絡先:三条市 市民部生涯学習課 文化財係
☎0256-46-5205(直通)
(会報誌:2022年09月)

アイキャッチ写真:吉野屋遺跡出土品(火焔型土器など)
(撮影:小川忠博氏)