世界三大珍味とは何と何と何?

暮らしのヒント
日本の三大珍味は?

 一般に、日本の三大珍味と言えば以下の食材を指すことが多いです。

  • ウニ(塩うに)
  • カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)
  • このわた(なまこの腸の塩辛)

より狭義には「越前の雲丹」「長崎野母の唐墨」「三河の海鼠腸」となります。

 しかし、地方によっては少し異なるようです。地方の珍味を示すと下記のようになります。

 いくら、めふん、ホヤ、くさや、松茸、アワビの肝、アン肝、くちこ、ふぐの卵巣の糠漬け、へしこ、鮒寿司、酒盗、辛子明太子、豆腐よう、ボラの胃、…等が適宜入れ替わる。

世界三大珍味

 世界三大珍味は良く知られている。キャビア、フォア・グラ、トリュフである。

 キャビアはチョウザメの卵の塩漬け。おもな産地はロシアで卵の粒が大きなベルーガがブランド価値が最も高い。

 フォア・グラは、鵞鳥または鴨に強制肥育で肥大させた肝臓。最近は動物虐待だと反対運動も起きている。

 トリュフはセイヨウショウロ(西洋松露)属のきのこの総称。広葉樹の根に菌根をつくって生育し、地中に塊状の子実体を形成する。匂いが強いことから豚や犬を使って見つけるそうだ。フランス産の黒トリュフ、とイタリア産の白トリュフが特に珍重されている。

三大〇〇って誰が決めてるの?

三大〇〇と言うのはよく聞く。上越市の高田城址公園の夜桜は「日本三夜景」として有名だと子供の頃から聞かされてきたが、残りの二カ所がどこだか知らずに来た。

 五十年ほど前に調べてみたことがある。その時は日本三大夜桜は、新潟県の「高田公園」、京都の「円山公園」、長崎の「丸山公園」とあった。しかし、ソメイヨシノの寿命は五十年とも言われ、メンテナンス次第では見る影もなくなってしまう。

 現在の「日本三夜景」は、青森県弘前市の「弘前公園」、新潟県上越市の「高田公園」、東京都台東区の「上野恩賜公園」となっている。どうも「三大○○」の根拠は曖昧なものが多い様だ。誰かが決めた訳でもなく、 世界共通という訳でもなく、 明確な根拠や基準もない。

 世界三大美女と言えばクレオパトラ、楊貴妃、小野小町と思っていたが、これは日本だけの話。世界では小町に代わってヘレネ(ギリシャ神話に登場する女性)が入る。世の中にPRしたいが、世界一と言ったらクレームが出そうだ。「三大○○」と曖昧にしておけば文句が来ない?と言うことのようだ。

不思議な数字「三」

 数字の「三」にまつわる言葉は非常に多いが何故「三」なのだろうか。太古の昔、数の概念はあったが数字の表現が乏しく「三」が一番大きな数字と考えられていたそうだ。現在でもイヌイットやアフリカの原住民の一部では、物の数え方が「一」「二」「三」「タクサン」としているところがあると聞く。

 日本では、我々の住む世界は三次元であり、「三」に「無限大」のような神秘性を感じていたようだ。「三界に家なし」「仏の顔も三度」「石の上にも三年」「三度目の正直」「三人寄れば文殊の知恵」「三日坊主」「居候三杯目にはそっと出し」…とあるように「三」は最後なのだ。また、「三顧の礼」「三国一」「三尺下がって師の影を踏まず」「三拍子揃う」…等「三」が入る多くの例があげられる。

 日本書紀が原型になったと言われる浦島太郎は竜宮城に三年滞在し、桃太郎の家来も三匹だった。

(鯰/会報誌:2017年8月)