新潟県 県民性の民俗史

暮らしのヒント
民俗は県民性再生産のDNAである

 本書は、同著者による新潟県の県民性シリーズの『県民性の歴史』、『県民性の人物史』に次いで発刊の第三弾である。著者によれば、県民性とは、考え方・感じ方・判断の仕方・性向・気質など。

 子供たちは、それらをどのようにして認識、身に付けてきたのか。著者はいう
・大人たちの行動をみて
・ 大人たちから聞き、教え諭されて
・大人たちの行動を自ら体験して・・・認識。
県民性が、そのようにして再生産されるのであれば、暮らし、しきたり、人との付き合い、芸能、信仰、ことわざ…などの民俗伝承は最も重要な教材であるということができる。

 本書では、県の社会伝承、生活伝承、文化伝承など民俗伝承が、どのように県民性再生産に作用したのかを歴史的に明らかにする。

 本書の目次構成
第1章 県民性の社会伝承
・家と町 村社会
・人の一生
第2章 県民性の生活伝承
・農業  ・織物業
・出稼ぎ ・金銀山
第3章 県民性の文化伝承
・宗教 ・芸能
第4章 県民性の雪伝承

 著者は語る。「新潟県の子どもたちの傾向 「まじめ」「素直」、「責任感」、「消極的」、「乏しい表現力」は、実は新潟県の県民性そのもの。子どもたちが世界に貢献していくためには、正の県民性を活かし、負の県民性を克服することが大切…」 (広報:樋口 高士)


新潟県 県民性の民俗史
伊藤 充 著 (新潟青陵大学特任教授)
新潟日報事業社 2020.12.21 刊

新潟県 県民性の人物史