日本人の起源と遺伝子

暮らしのヒント

多田 治夫

 あけましておめでとうございます。新年にあたり皆様のご健康とご多幸をお祈りします。私たちは寺社仏閣に新年の希望を祈る風習がありますが皆様は何を願われたでしょうか、若い時は様々な願い事がありますが我々県人会の会員年齢ともなればひたすら健康を願うのではないでしょうか、先日面白い本をよみました、日本人の起源に関する内容を少々まとめてみました。

 近年遺伝子の解明が進み日本人のDNAを調べる3方法がある。

①ミトコンドリア遺伝子調査
②Y染色体調査
③核全体調査、

 その中で小生の興味を示したのが②でした。女性の染色体XX、男性の染色体XYです。Y染色体は男性しかないもので、お爺さんからお父さん、そして息子へと受け継がれていくものでこのY染色体には80種類ほどの遺伝子が含まれその中の配列を調べると日本人はD2と言うタイプを持っている。その中にTYAP型(配列)がありアジアでは圧倒的に日本人に多く存在し中国人、韓国人にはまず見られない。そして驚くことに地中海から中近東、南部イタリアの人たち。並びに古代ユダヤ人に共通しているとのことです。このTYAP型の配列を持っている人物はアインシュタイン、ライト兄弟、堀江貴文さん須藤元気さん等です。例えばアドレナリンに関する遺伝子β3ARには脂肪が燃えにくくなる作用がありますが約34%の人がこの遺伝子をもっていて飢餓状態に備えて少量の栄養分や脂肪分をため込む体質になっているようです。この遺伝子を持ち合わせている人はそうでない人と比べて一日当たり基礎代謝量が200キロカロリー低く内臓脂肪が溜まりやすく、おなか周りが太くなる体質になっているようです。この遺伝子を持っておるゆえに何千年も生き延びてきた日本人ですが今は飽食の時代、その遺伝子が体内に栄養分や脂肪を溜め込み、その結果肥満人が大幅に増加したため糖尿病、動脈硬化発症予備軍を多数生み出してます。アメリカ人は体脂肪が高く、日本人は内臓脂肪を溜め込んでいるようです。肥満解消の鍵は脂肪細胞の中にあるアディポネクチン受容体が壊れて働きにくくなっている事が分かってきて血管がボロボロになりやすく脳卒中、心筋梗塞が多くなる確率が高くなるようです。また肥満は発ガンを誘発する要因がある為、発がん天国日本と言われており、二人に一人がガンになるといわれる時代です。

 この様に日本人は太りやすい体質を持ちながら何故世界のトップクラスの長寿国なのでしょうか?と疑問におもわれますが日本は海や山の幸に恵まれ又生活の豊かさは類を見ない素晴らしい国であり医療も充実し国民皆保険に支えられていることが要因かと思われます。自分たちの持つ遺伝子の特性を知ったうえで健康で楽しく、ハッピーに暮らしていきたいと思います。
以上 

(会報誌 2019年1月)