会津八一の書碑について

暮らしのヒント

会津八一の書碑は、現在、全国には奈良を中心に47基。
そのうち、出身地新潟県では、実に22基を数えることができる。
そのほとんどが、八一の自筆歌碑である。
(前掲の「おり たて ば なつ なほ…」は、会津八一記念館)
 

会津八一

おほてら の まろき はしら の
つきかげ を つち に ふみ つつ
もの を こそ おもう

 

会津八一

かすみ たつ はま の まさご を
ふみ さくみ か ゆき かく ゆき
おもひ ぞ わが する

 

会津八一
新潟日報:題字

もっとも新しい「書碑」の開眼式

 平成27年(2015年)6月25日。十日町市の時宗寺院・来迎寺(山号・放光山)境内にて会津八一さんの新しい書碑の開眼式が行われた。この書碑は、八一さんの書碑としては、まことにめずらしい「漢字書体」の碑。地元・十日町出身の瀧澤政治さん(1934~)が、30年来大切に保持してきた、敬愛する会津八一さんの「書」を石碑として建立。
 氏の菩提寺・来迎寺に寄進したもの。『佛身清浄常寂滅』とは、「華厳経」にある佛語。
八一晩年の「書」とか。八一書といえば、誰しも、あの流麗な「かな文字」書体を思い描くところであるが、県紙「新潟日報」の題字は、会津八一書であることは、知る人ぞ知るところ。
 書碑建立にあたっては、瀧澤さん自ら「玄武岩柿崎六方石」を選定、刻印字も会津八一記念館の指導のもと、石工アーチストが入念に仕上げただけに、
実に見事な仕上がりとなっている。
 (樋口高士・記)